石のプロも認めるバランスの良さ
念仏山と呼ばれる山の周辺で採掘される「大島石」。その最大の特徴は全ての点でバランスに優れた、偏りの無い「中庸」のごとき存在感です。色は白すぎず黒すぎず、石目は細かすぎず粗すぎず、決して色褪せしない石肌は、むしろ時が経つにつれその青味が強くなり一層の深みを示し、100年品質にふさわしい青磁のような美しさを感じさせます。※中庸…偏らず、常に変わることなく、調和がとれていること。
産地
本州と四国を結ぶ3本の連絡道路の最も西に位置し、尾道~今治間の美しい島々を結ぶ通称「しまなみ海道」。瀬戸内の島々の情緒を味わうことが出来るサイクリングロードも整備されたルートの最終の島が「大島」です。古くは村上水軍の拠点としても有名で周辺の島々では柑橘類が豊富に生産され、となりには「伯方の塩」で有名な「伯方島」があります。
掘削の様子
岩盤を下へ下へと掘り進む方式ですすめられる大島石の採石場では、ジェットバーナーを使用して花崗岩を切断していきます。轟音が鳴り響くジェットバーナーで炙られた石は真っ赤になり、石粉となって飛んでいき少しずつ石が切れていきます。採石作業は大変な危険と困難がともないますが、それを支える山石屋さんの汗と石への想いが「大島石」の信用を築き上げてきました。
本流・四国の銘石
日本でも最大級の採石産地である大島石の採石の歴史は古く、江戸時代から堅牢で美しい石として知られていましたが、昭和になり採石技術の進歩によって採石量が増えるにつれ一躍脚光を浴び、関西、中四国地方でお墓といえば「大島石」と言われるほど絶大な信用と支持を得るとともに、今日では全国的に知られる石となっています。