庵治石細目

最大の特徴は「斑」

きめ細かな地肌であるがゆえに風化に強く、磨けば磨くほど艶を増す庵治石。その最大の特徴は、「斑(ふ)が浮く」という現象です。他に類をみない、この特質性と希少性から、世界で最も高価な石として評価されています。庵治石の石肌は磨くほどに濃淡が浮き出て、平坦なはずの石の表面に奥行きを感じさせる二重のかすり模様を見せてくれます。その模様は、高い山々にかすみたなびく雲、また屋島から舞い落ちる桜の花びらにもたとえられ縁起物としても珍重されてきました。

産地

香川県高松市、源平合戦で知られる屋島の東側対岸には、峰が剣の尖のようにそびえ立つ五剣山という山があります。この山のふもと庵治町と牟礼町の町境から採掘される石が「庵治石」です。正式名称は「黒雲母細粒花崗閃緑岩」といい、主成分は石英と長石。微細な黒雲母と角閃石を含み、それぞれの成分の結晶がとても小さいのが特徴で、水晶と同じ硬度7度の硬さといわれています。

庵治石細目
庵治石細目

掘削の様子

庵治町久通、牟礼町久通といわれる町境から少し庵治側に入った所に「御用石」という丁場がありました。この丁場がかつて高松の御殿様御用達の石を採石した所で、この辺りを「大丁場」と呼びます。一般の人が立ち入ることのできない、神聖なこの丁場には、今なお最良質の庵治石が眠っており、厳選された原石が安定供給できる唯一の丁場です。

石の里、千年の歴史

庵治石の歴史は非常に古く、平安時代後期から使われ始め、安土・桃山時代には京都男山の石清水八幡宮再興、江戸時代初期には高松城築城や大阪城大改築にも使われたという史実があります。庵治石が全国的に知られるようになったのは、大正時代から昭和の戦前にかけての時期です。採石や加工の知恵と技術、技能は長い歴史のなかで伝統の技として磨かれ、その匠の技は、「天下の銘石・庵治石」とともに「庵治産地」の名を全国に知らしめてきました。現在に至っても、庵治石は首相官邸の石庭や、東京オリンピックの聖火台など、数多くのモニュメント、建築物として、全国各所にその姿を刻み続けています。

庵治石細目